つながる緑 心地よい暮らし ポンヴェールをかたちづくる人々 ポンヴェール妙正寺公園
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1. チームネット2. プロム3. 富樫デザインスタジオ4. ビーデザイン
チームネット
“ポンヴェール妙正寺公園”の企画を担当していただいたのが、株式会社チームネットです。チームネットは独自のコンセプトのもと、数々の環境共生型集合住宅のプロデュースを手がけてきました。2003年には世田谷の江戸時代より続く屋敷林を暮らしの場として活かしたプロジェクト『欅ハウス』が評価され、日本都市計画家大賞を受賞しています。そのチームネットの代表である甲斐さんにお話を伺いました。
株式会社フィンチ(以下 フィンチ):チームネットさんの事務所も環境共生型コーポラティブハウスの中にあるそうですね。
『経堂の杜』住居内のグリーンカーテン。
株式会社チームネット 代表取締役 甲斐氏(以下 甲斐氏):事務所のある『経堂の杜』は、世田谷区に2000年に完成した環境共生型コーポラティブ住宅で、企画・コーディネイトを手がけました。もともと敷地にあった樹齢100年以上の5本の大ケヤキを「天然の空調装置」として位置づけ、さらに新たな植栽を施すことで、緑を使って敷地全体の環境を整え、その環境を各住戸につなげることで、快適な室内環境を目指すという考え方で建築計画をしています。
フィンチ:2000年というと竣工から6年ですね。
甲斐氏:今年で7回目の夏を迎えます。
事務所は自宅と兼用になっているのですが、今までクーラーを設置しなくても室温がほぼ27℃〜28℃という快適な暮らしが実現しています。そのために緑の機能を最大限に「利用する」ための生活の工夫もしています。夏の早朝は空気がすがすがしくて気持ちいいですよね。一日中、そんな早朝のような涼しさの中で暮らしている、と言えばいいでしょうか。
 
『経堂の杜』住居ドライエリア。 フィンチ:緑の力を活かした住宅術がもたらした恵みはどんなことですか?
甲斐氏:まずひとつは、毎年一度はクーラーで身体を壊すという苦い経験があったのが、ここへ移ってきてから全くなくなったことです。クーラーは、設定温度が28℃でも、吹き出し口からの風は10数度という非常に低い温度になっています。クーラーがつくりだす強引な涼しさは、その空間に入った瞬間は気持ちがいいのですが、長時間いると身体がついていかず、いわゆる夏バテ状態を引き起こしてしまいます。それと、「夜、暑さで眠れない」ということは、これまでの6回の夏の間、1度もありませんでした。クーラーによる夏バテや、暑さによる睡眠不足がない分、身体に負担がかからないので、本当に身体が楽、というのが実感です。
フィンチ:体にもいい暮らしへと変化したのですね。
甲斐氏:計画段階でもいろいろ考えてはいましたが、実際の生活から、生活する側が外の環境に働きかけ、その環境を使いこなすことで室内が快適になり、自分の身体が心地よくなるということを実感したのです。
自分自身の身体が、「これはいい」となると、人間、貪欲になります。さらにここちよくしたい、そのためには外の環境を良くしよう、となります。室内だけで快適性をコントロールするよりも、外環境との「つながり」をつくることで、「もっと心地よい快適性」が手に入るということを、身をもって体験しました。
その体感が、“ポンヴェール妙正寺公園”の計画に活かされています。東京でもクーラーなしで生活することは可能なんだ、という実体験があるからこそ、それを目指そう、と声を大にして言えます。
 
フィンチ:なるほど。ご自身の体験に基づいているわけですね。“ポンヴェール妙正寺公園”ではどのようにそのコンセプトが反映されていますか? ECONEXUS
甲斐氏:緑を単に景観としてだけではなく、「外環境を整える装置」として位置づけ、それを室内とつなげるという考え方で計画されています。一方でクーラーを絶対使わないということではなく、使うにしても、熱環境的な負荷を軽減すれば、身体も楽だし、光熱費も少なくてすむという経済的なメリットも享受できます。
また、“ポンヴェール妙正寺公園”の周辺を見渡してみると、すぐ横を通る緑道、その先には妙正寺公園、そしてガーデンショップ・プロムと、緑豊かな環境に恵まれています。これらをつなげる役割を“ポンヴェール妙正寺公園”が果たせば、そこに住まう方々が、周辺の緑の恩恵を手に入れることになります。そのために、共用部分には街の緑とつながることを意図して緑の配置がなされています。
入居される方々ひとりひとりが、バルコニーという一番近い外環境を整えると、建物全体に緑が溢れることになります。
そしてその緑を伝わってくるさわやかな風が、窓辺から自分の家に入ってくる、そんなコンセプトで計画されています。気がついてみると、「自分の家と暮らしが、街とつながっている」と実感できると思います。
 
フィンチ:チームネットさんは『EGO×ECO』のコンセプトを打ち出しておられますが、『EGO×ECO』とは何ですか?
甲斐氏:「個人の利益」を目的に、環境を手段として使いこなすための「住環境統合理論」という独自の理論に基づき、それを表現したものが『EGO × ECO』です。
『環境』というと、とかく公共的で大きな単位の話になりがちですが、わたしたちは、まず「個人の利益=個人の快適性」を大きくするため、住まいづくりの場面でまずその敷地の環境を整えることから始めます。そして室内環境とつなげるとともに、敷地の周辺環とのつながりもつくっていきます。そのつながりを、「景観」「利用」「気候」というポイントで構築し、それらを満たすことで、「個人の利益」を最大にすると同時に、結果として、街の環境にも貢献するという事業が実現します。
今回の『ポンヴェール妙正寺公園』も、この『EGO × ECO』のコンセプトに基づいて計画されています。
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ブロム
“ポンヴェール妙正寺公園”の斜め向かいでガーデンショップを経営されているプロムさん。地元でもランドマーク的存在のお店で、通りを行く人たちがたくさんのグリーンで満たされた佇まいに惹かれ、立ちよる姿が見られます。
庭は空間をかたちづくるのに必要な要素であると同時に、生き物でもあります。だからこそ“ポンヴェール妙正寺公園”の庭はデザインからメンテナンスまでプロムさんの手におまかせしています。
株式会社フィンチ(以下 Finch):プロムさんデザインのお庭を見るたび、いつも「ほっ」とあたたかい気持ちになります。今回のお庭の仕上がりもとても楽しみにしています。“ポンヴェール妙正寺公園”のガーデンデザインのコンセプトをお聞かせください。
 
ガーデンショップ『プロム』 ガーデンショップ プロム(以下 プロム):一言でコンセプトを表現するならば、「里山」です。里山とは人里近くで人の手により管理され、動植物が人間と共存出来るエリアを表します。ポンヴェール妙正寺公園”では、そうした里山に生育されている樹木と草花をイメージし、植栽計画をしています。
フィンチ:「里山」の風景…懐かしさを喚起させられますね。
プロム:春の新芽のみずみずしさ、夏の深緑、秋の目の覚めるような紅葉と実り、冬は枯木立の間から洩れるやわらかな日差し、これらは住む人たちの五感を季節ごとに刺激してくれることと思います。また、多くの緑は人々の心に潤いをもたらし、街全体を癒すことが出来ると考えています。コンクリートの建物に緑が広がることにより、ヒートアイランド現象を少しでも還元することもコンセプトのひとつとして考えています。
「緑で街を冷やす!」これもみどころの一つになりますね。
 
フィンチ:なるほど、まさに五感すべてに優しく語りかける庭というわけですね。そんな庭を作られる際、特に心がけていらっしゃるポイントは何ですか?
ガーデンショップ『プロム』
プロム:庭作りは植え付けが完了した時点で終了するのではなく、そこに植えられた植物がその地の環境に合っているか、そこでどのように育まれ、健全な生長と広がりを持たせて行くことが出来るかがポイントです。ですから、植物にとって居心地の良い場所を探し、より美しく作り上げることがガーデンデザインであり、ポイントだと考えます。それが何年か後に住居とそこに住まわれる人との調和を生み、美しい佇まいを見る事が出来るのだと思います。。
フィンチ:さて最後になりましたが、地域に根ざし、美しい風景をつくるプロムさんにとって、この地域の魅力とは何ですか?
プロム:私はこの地で生まれ育ちましたが、様々な理由から年々緑が少なくなってきております。その一方で昔からこの地域に住む人々とこの地域へ移り住む人びとが融合し、より良い地域にしていきたいと思う気持ちがここに住む魅力につながっていると思います。次世代の子供たちに様々な人たちが、様々な角度や形で、心豊かで緑豊かな地域づくりを進めていくことが期待できる街だと考えています。そこに私たちも積極的に参加していこうと思います。それほど知られていないかも知れませんが、実は安心して暮らせる、言うなれば“潜在的高級住宅街”なのかもしれません。
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